2021年07月13日
『滝雨(たきさめ)のアリア』
『滝雨のアリア』
中嶋 稔
どしゃ降りの雨の中、傘もささず、
お洒落なドレスが、楽しさいっぱい、歩いて行く。
「やまない雨は無い」と、詠唱しながら。
ゲリラ豪雨がもたらした、石の街に、
ナイアガラ瀑布が、落下しているる。
ウイルス禍でも、混雑してる、
改札口を真っ直ぐに抜けて、滝雨に立っていた!
誰彼の視線も、雨のベールの向こう側に置いて。
激寒の滝の流水よりも、清清しく滝雨に打たれ、
光り輝いているかに、あなたは仕事帰り、
お気に入りバッグと、買い物袋もビショ濡れに。
ゲリラ豪雨との出会いを、予期していたかに、
どこぞかに、傘を置き忘れて……
長い坂道も、ナチュラル・ダンシング!
転ばぬよう、舞い・舞い・放下して降りて行く。
おぼつかない、あなたの両足は、
激しくはね返える雨足が、しっかり握りしめているかに。
梅雨を店じまいする前の雨も、狂喜の舞踏してる。
古代〈真理〉は、言の葉だけではなく、
舞踏‐ダンシング、ナチュレ楽器の楽音や、
彩色‐アートでも、表現したらし。
これと型を定めずに、跳ね〜舞い、激しく回転し、
ナチュラルに豪雨と、コラボレーション。
〈身体〉を「から(空)だ」と呼び、
生命‐本体の働き《魂》を入れる器は、カラダ!
雨は一粒〜一粒に、空を宿して、
雨・雨・・天雨・・の降る・・・降るる。
あなたは空っぽのポ、滝雨のアリア・・・
ゲリラ豪雨のもたらした、惨劇からこぼれ落ちた、
雫たちは、見上げると、あなたの舞う地上より、
天に向かって、降り継いで行く。
「地の禍波は、眼に視えぬ、天にもあるる!」らし。
new_cosmos at 00:17│Comments(0)│詩